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2001年04月30日

アメリカ食

アメリカに来てすぐの頃、日本にいる友達から一番よく聞かれたのが「何食べてるの?」だったので、本日のお題はアメリカ食(どこか言い方がおかしい)です。今は寮にいてそこのミールプランを買っているので、学期中はもっぱら寮の食事をしています。写真は朝ご飯のオムレツです。好きな具を選んでオムレツを作ってもらい、ハッシュブラウン(炒めた細切りじゃがいも)、ソーセージかハム、果物、グレープフルーツかパイナップルのフレッシュジュース、というのが私の普段の朝ごはんです。

寮と授業のある建物の間がとても近いため、昼も寮に戻ります。日替わりのメニューもありますが、ターキーサンドイッチとその日のスープ、サラダ、がいつもの私の昼ごはんで、夜は日によってメニューが色々です。「アメリカの食事」という言葉からイメージされるものとは程遠い、大変健康的な食生活です。私があまりハンバーガーもやピザが好きではないという理由が大きいとは思いますが。

と言いつつも、知らず知らずのうちにアメリカ食に舌が慣れてきているのかも・・・と、先日ドクターペッパーの味を薬くさいと感じなくなっている自分に気づいた時に思いました。慣れとは恐ろしいものですねえ。ちなみに、ルートビアも今となっては平気です。

私は大変な米好きなのですが、炊飯器を買ったし、日本米は廉価($3.5/3kg)だし、食べたくなって困るということはありません。生の魚だけは手に入りませんが、これはもう諦めがついています。

春休みに友達と交代で夕食を作るということをやりましたが、インド人の友達に作ってもらったカレーがとても美味しかったです。来週末は中国人の友達と餃子を作る予定です。留学生が多いCSならではの楽しみという感じですね。ちなみにその中国人の友達は、「日本にも餃子があるのー?!オーマイガーッ!」ってあなた、何もそんなに驚かなくても・・・。おそろしく不器用な私が果たして餃子の皮を閉じることができるのか、今から少々、いや、かなり心配です。

投稿者 akiko : 12:12 | コメント (0) | トラックバック

2001年04月23日

性犯罪に対する意識について

今日の写真は、CSの建物の向かいで満開になっていた木(名前がわからない・・・)です。キャンパスのあちこちで色々な花が咲いていて、とっても良い香りがしますよ。

さて、運良く(?)自民党総裁選の陰に隠れてこちらではほとんど報道されていませんが、仙台高裁で性的暴行に対するなんとも脱力ものの判決が出ましたね。曰く、

「大内俊身裁判長は判決で、被告が原告の性的自由を侵害したと認めたものの、原告が激しく抵抗してけがをしたり、衣服がひどく破れたりしなかったことをあげ「断固として拒否する態度に出たならば性的関係には至らなかった」と原告にも落ち度があったと認定した。」

誰かこの裁判長に「あんたは安いエロビデオの見すぎ」と判決を下せる人はいないのか・・・と思うくらい、憤りを通り越してだんだん馬鹿馬鹿しくすらなってきますね。

アメリカにも性犯罪は多々あります。しかもその数は日本の比ではありません。が、決定的に違う点は社会の受け皿にあると思います。もし同じ裁判がアメリカで行われた場合、まず上記のような判決は出ないでしょう。男性も女性も、このような場合抵抗などできるわけがないと知っているからです。何よりも、このような判例ができてしまうと、ただでさえ訴訟しにくい土壌をさらに訴訟しにくいものにしてしまって後々のためにならないと思われますが。

何故皆そのような知識があるのかといえば、いろいろな情報が公開(もちろん被害者のプライバシーは守られます)されるからです。社会的な認識が違うから情報が公開されるのか、情報が公開されるから認識が高まるのかなんとも鶏と卵的ではありますが、たとえば、セクシャルハラスメントやレイプに遭わないようにするには/遭ってしまったらどうすればいいかというワークショップがしょっちゅう開かれています。そういう時は声すら出なくなるからホイッスルを持ち歩きなさいとか、とにかく命を最優先することを考えなさいとか、場合によっては、たとえレイプにあったとしても妊娠やSTDを避けられるよう避妊具を持ち歩きなさいとか、もし被害に遭ってしまった場合の連絡先とか、しつこいくらいに言われます。こちらは男性もけして他人事ではないため(ゲイの人にレイプされる可能性がある)か、性的暴行に関する社会の認識はかなり高いように見うけられます。

しかし犯罪件数は一向に減る気配がありませんが。人々の意識の高さが多発する犯罪に支えられているというのはなんとも皮肉な話です。

日本もけして安全な国ではなくなってきた昨今、そろそろ臭いものに蓋をする習慣を見直さなくてはいけないのではないのでしょうか。セカンドレイプ・セカンドハラスメントが怖くて言い出せない人はいっぱいいると思いますよ。まずは社会全体の意識を高めることから・・・って、これが一番時間がかかるんですけどね。

そういえば去年か一昨年くらいにイタリアでも同じような判決が出てかなり顰蹙を買っていましたね・・・。

投稿者 akiko : 16:04 | コメント (0) | トラックバック

2001年04月16日

アジア人は年齢不詳

今日はイースター(復活祭)ですね。イースターとは、キリスト教でイエスの復活を記念して春分後の満月直後の日曜日に行うお祭りのことです。色を塗った卵があれば写真を撮ろうと思ったのですが、身近にない・・・というわけで、学生証を撮ってみました。塗りつぶしてあるのは番号とサインです。悪しからず。

学生証は身分証明書としての使用はもちろんのこと、図書館で本を借りたり、いくらかお金を入れておけば学内で買い物もできます。おかげで私はすっかり財布を持ち歩かない生活です。急な誘いがあった時に困るといえば困るのですが、そこはなんとか小切手で乗り切っている今日この頃。また、この学生証があると市内のバスはすべて無料です。これで生年月日が印刷されていたら言うことないんですが。生年月日つきのIDがないとお酒を売ってもらえないのですよ。

先学期が終わってクラスの友達と飲みに行きましたが、バーに行く途中に友達が「あんたID持ってきたでしょうね。私は見せろと言われないかもしれないけど、あんたは絶対言われるんだから」などと・・・そんなに私はコドモか?と思わなくもありませんが、実際、アジア人は年齢不詳です。同じアジア人の目から見ても年齢がわからないことがあるくらいなので、無理もありません。

コンピュータサイエンスの院は、「ここはアメリカじゃなーい!」と思うくらいアジア人だらけなのですが、先日、ずっと私と同じくらいの年齢だとばかり思っていた韓国人のクラスメイトが実は31歳だということがわかり、吃驚したばかりです。春休みの間に彼女が髪を切ってきたので、「髪切ったんだー」と水を向けたところ「うん。でもちょっと前髪切りすぎてね。変でしょう?」と返ってきました。別に変でもないので、「そう?変じゃないけど。可愛い(cute)んじゃない?」と言ったら、「cute?あのねー、cuteって言うけど、あんた、私に子供がいること知ってて言ってる?」と言われ、のけぞりそうになってしまいました。既婚者であることは知っていたのですが、まさか子持ちであるとは思ってもみませんでしたので。その子、もとい、その女性はどう見ても私と同じくらいの年齢か、どうかすれば年下に見えるのですけどね。・・・そうか、私が老けてるのか。

学部生はともかく、大学院生の年齢層は幅広く、授業を受け持っている教授よりも年上の学生がいるようなケースもたまにあります。秋学期にも、同じ授業を受けていたIndustrial Engineeringドクターのインドネシア人の女の子が既婚者であると聞いた時にまず驚き、さらに「うちの息子が幼稚園でねー」と聞いた時に二度びっくりしました。この時もまた、私はずっと彼女を同じ年齢くらいだと思っていたもので。ちなみに彼女は国費留学生(すごい!)で、彼女が大学に行って忙しくしている間ご主人が家で息子さんの面倒を見ているのだとか。「アジア人の男性としては珍しいね」と言うと、「うん。あんまりいないよねそういう人。彼、ほんっとに変わってるから(He's really extraordinary.)」・・・言いすぎ。と思いつつも爆笑してしまいました。すいませんダンナさん。

投稿者 akiko : 14:04 | コメント (0) | トラックバック

2001年04月09日

今回はちょっと重い話。人種差別について。

今日の写真は、キャンパスに咲いていたツツジと枝垂れ桜です。桜の方はほとんど散っていますが、こういう色のツツジって日本では見ないなーと思って撮ってみました。

さて、先週のコラムでデルタ航空が日本-ポートランド線を昨年度いっぱいでストップさせたということを書きました。その理由としてよく言われているのが、ポートランド空港の移民管理局が日本人に対してある種人種差別的ともとれる対応を一時期していたためにポートランド空港を日本人がだんだん避けるようになり、デルタ航空がその路線で採算が合わなくなって廃線、というものです。私がこちらへ来たのは昨年の9月末ですが、その時の入国管理官はとても親切なおじさんでした。その時の私は上記のような話をまったく知らなかったのですが、今思えばそのような噂が広まってしまったためになんとかイメージアップをはかろうとしていたのかな?とも考えられますね。ルームメイトによると、ポートランド移民局の日本人に対する対応は、こちらの新聞でも取り上げられたことがあるそうです。

アメリカという国が色々な人種で構成されている以上、人種差別は避けて通れない問題として存在します。また、どちらが加害者でどちらが被害者といったような二元論で語ることができるほど単純な問題ではないとつくづく思います。このあたりを書くと非常に長くなってしまうので割愛しますが、アメリカの長所というのは、こういった問題を多くはらみつつも、なくしていこうという流れが社会全体にあることですね。個人レベルでは、人種差別主義者というのは存在します。以前に比べたら減ったかもしれないとはいえ、それでもマイノリティーの目から見れば掃いて捨てるほど(というか掃いて捨てたい)います。が、たとえそう思っていてもおおっぴらに口にするのは恥ずかしく無教養だという雰囲気があるのとないのとでは大違いです。

現在日本でも歴史の教科書が論議を呼んでいるようですが、教育による社会への影響力は本当に無視できませんね。アメリカの大学では、学部の一般教養にEthnic studyやWomen's studyが必修科目になっていることが多いようです。授業以外でも、差別を考えるワークショップなどが頻繁に開かれ、啓蒙活動が大変盛んです。日本の学校も、海の向こうの人種差別より先に教えるべきことはたくさんあるのに・・・と思いますがね。日本にある差別というのは、アメリカのそれのようにわかりやすくないぶん、根が深いような気がします。

アメリカの差別というのは、大雑把に言ってしまえば「肌の色によるもの」ですが、これについての興味深いエピソードをひとつ。以下は私の友達のアジア人(A)と、白人(B)との会話です。

B:好きな色は?
A:青と白。
B:白は色じゃないよ?

なるほど、Colored peopleという言い方はこの発想からくるのだなと、妙に納得してしまいました。その後Aは、これを元ネタにEthnic studyのレポートを書いたそうです。うーん転んでもただで起きてない!皆さんはどう思われますか?

投稿者 akiko : 12:01 | コメント (0) | トラックバック

2001年04月02日

4月1日から夏時間

今日の写真は、Summer Termのプログラムです。以前ご紹介したクラススケジュールの夏版で、夏は学外からの参加者も多いためか、他の学期に比べて紙がかなり上質。作りもしっかりしています。他の学期のはページを繰っただけで紙が破れるなんてことがあったのに・・・私の力が余っているだけですね。はい。

さて、4月1日はDaylight Savings Time、いわゆる夏時間が始まる日です。4月1日の午前2時を午前3時にし、時間を1時間進めます。PCはタイムゾーン設定のところで夏時間をオンにしておけば自動的に変わってくれますが、アナログの時計はそういうわけにもいかず、今日はいたるところで時間がまちまちでした。気づいた人がまめな人であれば直されていくので、そのうち時間が揃ってくるのですが。

夏時間は昼間、つまり外が明るい時間を有効利用しようという狙いがあるそうです。たとえば今日の場合、日の出はだいたい午前6時すぎ、日没は午後8時半くらいでしたが、これが冬時間のままだと日の出が午前5時、日没が午後7時半になります。午前5時に起きている人の数より午後7時前後に起きている人の数の方が圧倒的に多いので、だったら時間をずらしてしまおう!という発想ですね。日本でも夏時間の導入を検討するとかしないとか一時期言われていましたが、結局立ち消えになったのでしょうか。ただでさえ働きすぎだと言われている日本人にとって、これ以上「昼間」がのびてもあまり嬉しくないかもしれませんね。

夏時間と冬時間の切り替え直後は、時差ぼけもどきになる人が結構います。たかだか1時間の違いで時差ぼけにならなくても・・・と留学生は呆れていますが。友達に東海岸出身者がいますが、東海岸と西海岸は3時間の時差があり、こちらへ来たばかりの頃、そのためにしばらく寝込んでいましたね。「3時間も時差があるのよ。信じられない。あー頭痛い」などとぶつぶつ言っていましたが、完全に言う相手を間違えています。その愚痴を聞かされていたのは香港人と日本人(私)。しかも来たばかりの。あんたが時差ぼけなら私たち今頃入院だよと思ったり。

日本は春が学校の区切りなので、日本人の留学生が昨日今日で増えたようです。しかし3月いっぱいで日本-ポートランド直通の路線(デルタ航空)は廃止になってしまって、少々不便になりました。何故廃止されたかは、来週書きますね。お楽しみに。

投稿者 akiko : 16:33 | コメント (0) | トラックバック