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2002年05月28日

インターンシップ

月曜日が戦没将兵追悼記念日で、この週末は一学期に一度の貴重な三連休でした。日本は休みが多くてうらやましいです。働いてらっしゃる方はそうもいかないのでしょうけれども。日本人は働きすぎとかなんとか言われて、日本人がそれを真に受けて休みを増やしている間にアメリカはばりばり働いているように見えます。なんか騙されているかも。

今日の写真は、OSUの西の端にある広場です。なんだか日本のどこかの山村のようですが、一応大学の敷地です。このあたりには大学の牧場があり、私にはまったく用のない区域ではありますが。土地の有り余る国の田舎にある大学だけあって、敷地はものすごく広くとられています。いったい端から端までどのくらいあることやら。

ここしばらく我がラップトップの調子が良くなくて困っております。明らかに酷使しすぎなんですけどね。どうも冷却系にガタがきたようです。困ったなー。アメリカのPCが廉価なのは良いんですが、ポータブルPCなら多少値が張っても日本で売られている日本製の物が良いです。アメリカで売られているポータブルPCはアメリカ人向け、つまり大きくて頑丈に作られているんですね。頑丈なのは良いのですが、あれでは私がとても移動に耐えられそうにないので、実質デスクトップマシンになるのは目に見えています。だったら何もわざわざポータブルマシンを買うこともありませんしね。日本のポータブルPCや携帯電話のニュースをアメリカで見ていると、なんだか映画の中の話のようです。ハイテクに見えて実はものすごくローテクな国にすっかり慣れてしまった私は、日本に戻れば間違いなく浦島太郎です。

さて、ちょうど一年間行方不明になっていた大学院生がワシントンDCで遺体となって発見されましたね。この問題は色々と根が深そうですが、司法省の研修生で大学院生、という彼女の肩書きに疑問を覚えられた方も少なくないのでは。アメリカの大学・大学院では、学部によっては卒業条件の中に外部機関でのインターンシップと呼ばれる研修が入っていることがあります。卒業条件に入っていなくとも、インターンシップで単位をとれるようになっている大学も多いです。OSUの工学部も例にもれず企業でのインターンシップを斡旋しています。だいたい半年前後になることが多いようですね。

なかなか悪くないシステムだと思いますが、いかがでしょう。日本のあちこちの大学から飽きるほど「産学連携」という言葉は聞かれるものの、実際に機能しているのはほんの一握りでしかないように見えます。いろいろと一筋縄ではいかないことも多いのでしょうが、早いうちにそれなりのシステムが確立されると良いですね。

インターンシップは学校斡旋のものもありますが、当然個人で応募するものの方が数多くあります。もっとも一般的なのは、夏休み限定のインターンシップでしょうか。ただしこれはアメリカ国籍もしくは永住権所有という条件がつくことが多く、学生ビザでは選考の対象にすらしてもらえません。募集要項に書いてあるところはまだいいのですが何も書いてないところも多く、応募してかなり経ってからその旨の通知が来たりします。去年の夏休み前はこれでかなりストレスになりました。移民局に連絡したり大学に確認をとったりという煩雑な事務手続きを避けたいとか、留学生というある種素性のはっきりしない者を雇うリスクは減らしたいとかいろいろと理由はあるのでしょうが、これが「自由と平等の国」で就労差別と言われないのは不思議ですね。

投稿者 akiko : 14:07 | コメント (0) | トラックバック

2002年05月20日

バカルディのOSUラム

今日の写真は、酒屋で売られていたOSUラムです。こんなものがあるとは、バカルディはなかなか面白い会社ですね。OSUの色はオレンジと黒でして、このホワイトラムはオレンジフレイバー入りです。凝ってますねー。

日本では、沖縄がとっくに入梅だそうですね。オレゴンは暑くなったり寒くなったりよくわからない天気が続いております。もう五月下旬なのに。去年はとっくに暖かかったのに。早くもエルニーニョの影響が出ているんですかね。

現在、ホワイトハウスは去年のテロを事前に知っていたとか知らなかったとかで大騒ぎになっているようですが・・・相変わらずここは平和です。いったいどこの国の話なんだ。しばらく忘れていましたが、エンロンとの癒着疑惑はどうなっているんでしょうね。現大統領、お尻に火が着きすぎです。これなら、女性関係のスキャンダルの方がどれだけ良いことか。少なくとも人は死なないので。

人が死ぬといえば、またアフガニスタンで誤爆により民間人に被害が出た模様ですね(毎日新聞)。というのは日本の新聞社のサイトで知りました。ひるがえってアメリカの報道では、「米軍兵士一名死亡」の記事の一番最後に2行だけ(CNN)・・・まあアメリカが「誤爆」を認めるのはまずないことでしょうけどね。でも、この扱いの差はなんなんでしょうか。嘘は書いてなくとも、重大なことを落としていやしませんかね。アメリカ人もアフガニスタン人も命の重さに変わりはないと思いますよ。WTCのテロで家族を亡くしたアメリカ人も、米軍の攻撃で家族を亡くしたアフガニスタン人も、悲しいことに変わりはないでしょうに。アメリカはいい国だと思いますが、こういう点だけはどうしても好きになれないです。でもまあ「戦時中」ですからね。せめてアメリカ以外のメディアは公平な報道をして欲しいものです。

これで終わらせるのもどうかと思うので、最近気がついたことをひとつ。日記にもありましたが、イギリスがこの時期日本に行くイギリス人向けに「英国紳士の名に恥じない行動を取るために」といった主旨のパンフレットを配布しているという記事、私も以前どこかで見ました。

その中に「日本では、街を上半身裸や裸足で歩いてはいけない」とあるのを見て、正直なところ、何がどういけないのかしばらくわかりませんでした。そういう人、いっぱいいるんですよ。オレゴンはヒッピー多いし(関係ない?)。いつのまにか見慣れてしまって感覚が麻痺していたようです。言われてみれば、日本はそういう国でした。というわけで、この夏日本へ帰られる方々、上半身裸でうろついてはいけないらしいですよー。

投稿者 akiko : 16:29 | コメント (0) | トラックバック

2002年05月13日

エイサー@オレゴン

土曜日に、隣のワシントン州から沖縄の方々がパフォーマンスのためにいらっしゃいました。写真はその模様です。ずっと冷え込んでいたオレゴンですが、この日からいきなり暖かくなり、天気にも恵まれてとても良かったですよ。写真はエイサー、沖縄の盆踊りですね。三線(さんしん)の音がたまりません。琉球民謡は素敵ですねえ。沖縄には何度か行きましたが、沖縄に住み着く県外出身者が多いのはなんとなくわかります。私も隠居先は沖縄がいいですもの。隠居できるほど長生きすればの話ですけど。

アメリカには、年配の沖縄女性がたくさんいらっしゃいます。いわゆる戦争花嫁といわれる人たちで、大戦後に米兵と結婚して移住されています。私は、「戦争花嫁」という言葉はアメリカに来て初めて知りました。戦争とは、本当にいろいろなことがそれに付随して起こるものなのですね。

ところで、どんどん西の方に移動していて物騒だなと思っていた鉄パイプ爆弾、最初の被害の二日ほど後には容疑者の名前が挙がり、その直後に逮捕という早業でしたね。さすがFBI、いったいどういう情報網を敷いて民間人の個人データをどこまで握っているのか、そら恐ろしくなるほどです。

この事件は犯人がさっさと捕まって良かった方なのですが、もうひとつ、聖職者が少年に対する強姦容疑で逮捕されました。なんでアメリカはこういう極端な犯罪が多いんでしょうか。なまぐさ坊主にもほどがある・・・いや、もはやそういう次元の問題じゃないですね。そもそも、同性愛はいかんと旧約・新約聖書のどちらか、もしくは両方に書いてあるんじゃなかったんでしょうか・・・こういう次元の問題でもないですね。困った世の中です。

ちょっと小耳にはさんだんですが、去年のテロ以降、アメリカのビザ申請用紙が一枚増えたようです。ある範囲の年齢(たしか18から35歳まで)の男性のみらしいですが、従軍経験の有無、化学物質に関する知識の有無等を書かなければならないようで。他にも、炭疸菌の騒動もあったために大使館へ直接持ちこめていた窓口は閉鎖され、しかも個人による郵送窓口はほとんど機能していないも同然のようで、旅行代理店に手数料を支払ってビザ申請をするしか現実的には方法がないようです。面倒くさいことになりましたね。私は何が何だかよくわかっていないくせに旅行代理店まで行くのが面倒くさくて自分で何やらやってみたら運良くビザが取れた、という感じだったんですが、もうそういうわけにはいかないようです。

投稿者 akiko : 17:12 | コメント (0) | トラックバック

2002年05月08日

卒業条件ひとつクリア

ゴールデンウィークは皆様いかがでしたか?ゴールデンウィークは完全に海の向こうの話である私は、月曜と火曜が中間試験だったので更新をずらしました。ご了承ください。

今日の写真は、買ったばかりのワイヤレスネットワークカードです。大学の図書館がワイヤレスLANを導入したので早速買ってきました。世の中便利になったもんです。明日にでもラップトップを持って行って試さなくては。わくわく。

本日、卒業条件のひとつである筆記試験に合格したとの通知がありました。中間試験のために勉強した内容など頭から一瞬で吹っ飛ばんばかりの朗報です。うれしいー。でも、通常、修士課程にはないことが多い試験なんですけどね・・・とほほ。ほとんどの大学が修士課程修了時に要求するのは

1: コースワークのみ (論文やプロジェクトはオプション)
2: コースワーク + 論文かプロジェクト(どちらも口頭諮問つき)

のどちらかであることが多いようです。が、OSUのコンピュータサイエンスで修士を取るためには、2番に加えて筆記試験に合格する必要があります。これって、どうかすれば他の大学の博士課程の卒業条件とほぼ同じなんですよね・・・もちろん、論文の内容の濃さが修士と博士では違いますが。これだけ盛りだくさんだと、OSUのコンピュータサイエンスでは2年以上かけて修士を取る学生が少なくないです。そりゃそーだ。

ちなみに、通常、博士過程に求められる卒業条件は、

・コースワーク(アドバンスコースを含む)
・予備試験
・博士論文
・最終口頭諮問

であることが多いようです。予備試験はprelim(preliminary exam)と言われ、博士課程の学生にとって一番の山場です。最後の口頭諮問は、許可が出た時点で終わったも同然と言われるので。prelimは口頭諮問であったり筆記試験であったりはたまたその両方だったりします。案の定というかなんというか、OSUは両方です。この筆記試験とは別に、私が今回合格した筆記試験も受けなければなりません。つまり、OSUでコンピュータサイエンスの博士号を取るには、

・コースワーク
・筆記試験1
・予備試験(筆記試験2+口頭諮問)
・博士論文
・最終口頭諮問

が最低限必要となるわけです。盛り沢山で眩暈がする・・・博士課程の学生は大変ですね。それ以上に教授陣のタフさ加減がすごいです。

参考までに、OSUでは修士も博士も通らなければならない試験の内容は、

・コンピュータアーキテクチャ
・オペレーティングシステムズ
・アルゴリズムとデータ構造
・オートマトンとformal languages
・コンパイラ

です。formal languagesは日本語で何と言うんでしたっけ。これらがすべてまんべんなく出題されます。この他に、プログラミング言語に関する問題や人工知能に関する問題が時々出ます。上の5つの試験範囲を網羅した教科書を積み上げて高さが20センチを超えているのを見た時は、人生ごと投げ出そうかと思いました。が、それももう済んだことです。試験前一週間は胃が裏返って出てきそうなストレスを抱えて痩せましたが、これも済んだことです。なんとなく、最近自分は被虐趣味があるかもしれないと思い始めました。そんな方は是非是非OSUへどうぞ。

投稿者 akiko : 15:02 | コメント (0) | トラックバック