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2002年10月28日

イラク攻撃反対

今日の写真はドイツのコンセントです。私はドイツ初日にこれが何だかさっぱりわからず、大真面目に「これ何?」と訊いてドイツ人の失笑を買いました。ついでに、電話のモジュラージャックも日本やアメリカのものとはまったく形状が異なるので何だかわからず、これまた苦笑いとともに教えてもらいました。普通はすぐにわかるものなんですかねー。

学校が始まりましたが、まだ一週目が終わったばかりなので大変のんびりしています。これからは忙しくなるとは思いますが。TA(ティーチングアシスタント)もすることになりましたし。アメリカではRA(リサーチアシスタント)をやっていてTAの経験はないので、かなりどきどきです。

先週のコラムに多少わかりづらいと思われる点があったので補足します。まず、クイーンズイングリッシュについてですが、これはイギリス英語のことですね。キングスイングリッシュという言い方もありますが、現在は女王陛下の国なので。クイーンズイングリッシュで困ることはほとんどありませんが、英国式という点で困るのが建物の階数表記です。日本はこの点米国式なので地面に接する階から一階、二階、三階・・・ですが、ヨーロッパでは地上階(Ground Floor)、一階、二階・・・です。私はドイツ初日、このために建物内で迷子になり、親切なドイツ人学生に保護されました。とほほ。

また、イングランドコンプレックスとは、日本人のアメリカンコンプレックス(白人コンプレックスの方がより当たっているかも)をそのままアメリカ人に当てはめたようなものです。アメリカ人の中にはヨーロッパ、特にイギリスに対して憧れとコンプレックスを抱く人がいます。日本人の中に何かにつけて「アメリカでは○○なんだから」と言いたがる人がいるのとそっくりで、ガイ・リッチー監督(イギリス人)と結婚してイギリスに移住する頃のマドンナがしょっちゅうイギリスはイギリスはと言っていました。大半のアメリカ人はアメリカイズナンバーワン!なんですが、たまにこういう人もいるんですねー。

最近のドイツでは、アメリカのイラク攻撃に対してかなり強い態度に出たシュレーダー首相が再当選しました。バス停にイラク攻撃反対集会のポスター(5分以上かかって辞書を引き終えるまで、賛成なのか反対なのかもわかりませんでしたが)が貼ってあったり、隣国フランスのシラク大統領もイラク攻撃に反対を表明したり、ヨーロッパは反対派が多いようです。でもイギリスはどうするのかな・・・。イラクが地球の裏側なアメリカと違ってこちらは地続きなので、何かあってとばっちりを食うのだけは勘弁して欲しいところです。asahi.comのコラムの中にこういう一節がありました。

シュレーダー首相は選挙で勝ちたいために戦争に反対したと悪口をいう人がいる。でも同じ民主主義国家なら、政治家が戦争をするといって選挙に勝てる国より、しないといって勝てる国のほうがいいような気がする。

私もそう思います。

投稿者 akiko : 04:08 | コメント (0) | トラックバック

2002年10月21日

お久しぶりです

ご無沙汰しております。やっと復活しました。なかなかネットのできる環境にならなかったもので。ご心配をおかけしました。

現在、ドイツの西の端にあるザーランド州の州都、ザールブリュッケンにあるザーランド大学(Universitaet des Saarlandes)におります。ここのInternational Max Planck Research School for Computer Science (IMPRS)の修士課程に移りました。アメリカ以上にいろんな国から学生が集まっていて面白いです。

このプログラムは、授業・試験等はすべて英語です。よって、ドイツ語は私まったくできません・・・が、学部が手厚く面倒みてくれるので助かっています。なんせ、電話会社や銀行から手紙が来ても自分の名前以外の部分は読めないので。私のドイツ語はそのへんの犬にも負けています。犬はドイツ語で座れとか止まれとか言われてちゃんとその通りにできていますし。偉いものです。

という状態ですが、だいたいのことは英語でなんとかなっています。この街はドイツの中では比較的英語が通じないところのようですが、これだけ通じれば十分です。ひとりで電話も引けたし銀行口座もできたし。ただ、ヨーロッパで英語が喋れる人というのはほぼ例外なくクイーンズイングリッシュで、とっても品が良い・・・なんだか私の英語は柄が悪いぞーと思うことしきりです。あんたは日本語だともっと柄が悪いと言われそうですが。一時期はイングランドコンプレックス丸出しだったマドンナの気持ちが少しわかるような気がします。というわけで、同期のアメリカ人(カリフォルニア出身)と喋るのが一番楽な今日この頃。

大学の研究所(Max-Planck Institut fuer Informatik (MPII))がフランスの小さな町Metzに日帰りの小旅行をアレンジしてくれたので、参加してきました。ザールブリュッケンはドイツの端っこにあるので、特急に乗れば20分くらいで国境を越えられます。一応携行しましたが、フランスもドイツもEU加盟国なのでパスポートチェックすらありません。今や通貨も同じ(ユーロ)ですし、便利なものです。

Metzは歴史的にフランスだったりドイツだったりした街で、フランス様式の建物とドイツ様式の建物が混在していて面白いです。また、ここにはシャガール(※印参照)がデザインした大聖堂があります。写真はその大聖堂の一部です。大きさもさることながら、内側から見上げるステンドグラスは圧巻でした。もらってきたパンフレットによると、ステンドグラスの総面積は6,500平方メートルだそうです。これには鳥肌が立ちました。会津の寺で白鳳時代の仏像と対面した時も同じでしたが、信仰が純粋に信仰として機能していた時代の宗教美術は素晴らしいですね。

あと、Metzで買ったショートケーキが泣きそうなくらい美味しかったです。フォークを入れるのが惜しいくらい綺麗にできているし。アメリカでこの世のものとは思えないケーキ(どうにも表現し難い色だとか、クリームが砂糖じゃりじゃりだとか、切ってみたらスポンジとクリームの厚さが同じだとか)ばかり目にしていたので感激もひとしおでした。酒飲みの私がこれだけ感激するのですから、甘いもの好きな人が召し上がったらどんなことになるやら。そのうちスコットランドのウィスキー蒸留所を見に行きたいなーと思っていましたが、今やウィーンでザッハトルテとオペラを食べる!という物理的にも嗜好的にもまったく逆の方向を向きつつあります。そのくらい美味しかったんですよー。


※Marc Chagall:1887〜1985。ロシア生まれの画家・版画家で、フランスに永住

投稿者 akiko : 03:08 | コメント (0) | トラックバック