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2004年03月30日

SIGGRAPHレビュー終了

アパートの近くに桜が咲いています。人の家の庭ですが。もうすっかり春ですねー。ヨーロッパでは夏時間が始まって、一気に日が長くなりました。私はといえば、もうすぐ終わるはずの論文がいつのまにか100ページを超えていて、もう自分でも何が何だか…うぎゃー。

何が何だかといえば、だんだんドイツ語も難しくなってきました。今までは「お名前は?ご趣味は?」なんていう、それ見合いですか?なレベルだったんですが、最近は「私は○○し始めて○ヵ月経ちます」とかいうふうにだんだん表現にも時制にも幅がでてきました。もちろん、覚えなければならないことにも幅が出てきました。ドイツ語は人称代名詞だけではなく、一般名詞も文のどこに置かれるかによって変化します。

しかし私はいかんせん語学センスに恵まれていないわけでして…地味ーに地味ーに三歩進んで二歩下がるくらいのスピードで進んでいます。実は今ポーランド語で100まで数えられるんですが、これを覚えるまでにどれだけ時間がかかったことやら。もちろんポーランド人の友達に習ったんですが、彼がさっさと日本語で100まで数えられるようになった頃、私はといえば「4ってなんだっけ」とか言っていたり。しかしその割には「乾杯」(ナストロヴィア)は一度で覚えたというあたりがもう…いいんですかねこういう人生で。

ポーランド語のアルファベットはあえて教えてもらっていません。つまり私の人生で日本語に次ぐ「耳から覚える言語」なわけですが、やっぱり大人がダイレクトメソッドで言葉を習得するのは大変なんですね。ダイレクトメソッドというのは子供が言語を習得する方法で、文字からではなく耳から覚えていく方法です。もちろんこの方法は、ある一定の年齢を超えると格段に難しくなります。教えてもらったそばから三歩歩けば忘れるこのトリ頭で、はたしてどこまで習得できるものでしょうか。ちなみに、同じフレーズを同じ回数同じように繰り返したはずのポーランド人の友達は、私のポーランド語の倍は日本語をしゃべれるようになっています。なんだかのっけから置いていかれているのは気のせいでしょうか。

そういえば今年のSIGGRAPHのレビューが終わりました。MPIからは5本アクセプトだそうです。いや、皆さん素晴らしい。特に、会津大一期生の先輩の論文が2年連続でアクセプトです。しかも、2年ともに先輩はファーストオーサーです。

投稿者 akiko : 04:20 | コメント (2) | トラックバック

2004年03月22日

煙草

ドイツ生活はおおむね快適なのですが、どうしてもいまだに慣れない、というかドイツ人は何も思わないのか?と不思議なのがどこに行っても煙草の煙がもうもうとしている点です。ヒステリックに禁煙禁煙とは言いませんが、せめて分煙という概念は…ないの?

ドイツに来る前にアメリカから日本にちょっと帰国した時、税関を通って自動ドアが開いた瞬間近くの喫煙所から煙が流れてきて、あー日本に帰ってきたーと思ったものです。「屋内がけむい」というのはアメリカではまずないことでした。が、ヨーロッパにいると、日本ってそれでもちゃんと分煙されている方なんだなあと思います。

こちらでレストランなりカフェなりクラブなりに2時間もいると、服から髪から大変なことになります。私の髪は今長いのでとてもくさい…日本には煙草の匂いがつくのを防止するヘアスプレーなどありますが、そんなものはもちろん影も形もありません。というか、そういう気のきいた製品があるくらいならとっくに分煙が進んでいるはずです。

別に他人が喫煙しようがしまいが結局はどうでもいいんですが、どうでもよくないのがポイ捨ての多さです。なんで皆そのへん(道路)にぽいぽい吸殻を捨てるんだー。しかも火を消しもせずに。そりゃ高い税金から道路は頻繁に清掃されていますが、それとこれとはなんか違うのでは?はっきり言ってモラルに問題あるんじゃないのか?と思う私が神経質なのでしょうか。

アメリカでは煙草の広告を大々的に打つことはたしかもうできないと記憶しています(州によるかも)が、ドイツではまだまだ健在です(写真参照)。アメリカはどんどん禁煙方向に向かっていますが、依然として煙草産業はアメリカでは巨大かつ重要な業界です。そのからくりは、海外で大きな収入があるからです。

実際、ドイツでも一番見かけるのはアメリカの煙草会社の製品です。これを自国民さえよければいいのかととるか、ビジネスってそういうもんだととるかは人それぞれです。ちなみに私は後者ですが。だって、アメリカの喫煙を取り締まっているのは行政であって、煙草会社が自主的に自分の首を締めているわけでもありませんし。

が、EU全体としては煙草を取り締まる方向に進んでいます。ドイツはこれに関しては他のEU諸国に遅れをとっている方ですが、もうじき煙草1箱が10ユーロ近くになるようです。イギリスでなどはすでにこの高税率は実施されています(イギリスの通貨はポンドですけど)。

さて、パレスチナで、イスラム過激派グループのひとつであるハマスの創設者がイスラエル軍に殺害されました。ああまたいろいろなことが起こりそうです。一体いつまで同じことを繰り返すつもりなのかなあ、なんてのはやっぱり私が蚊帳の外から見ているから思えることですね。あんたはちゃんと自分の国があって迫害された経験も歴史もないんだろうがと言われれば、何も言い返すことはできませんね。

投稿者 akiko : 21:14 | コメント (0) | トラックバック

2004年03月17日

スペインのテロ

もう春ですねー。と浮き浮きしていたら、木曜日にマドリード(スペイン)で大きな無差別テロがありました。死者は200人以上、負傷者数千人という規模です。スペインでのテロといえばETA(Euskadi ta Askatasuna:バスク祖国と自由)によるもので原則として爆破予告と犯行声明がセットになっている、という今までのお約束とはどうも違うようです。

まず、ETAは犯行を否定しており、さらにアルカイーダが犯行声明のようなものを出していますが、まだ首謀者が特定されていないのが現状のようです。

スペインではテロに対するかなり大きな抗議デモがあり、他のヨーロッパ各国でも同じようなデモがありました。現在あちこちで半旗を見かけます。献血に行く人の数も相当数のようでスペインでは現在のところ負傷者に輸血するための血液が足りないということはないようです(※)。また、CNNによれば、ブンデスリーガ(ドイツ)の強豪FCバイエルン・ミュンヘンが同じくスペインの名門クラブチームレアル・マドリー(どちらも創立100年以上!)にチャリティ試合を申し込んだそうです。

ETAは日本人にはやや耳慣れない名前ですが、ヨーロッパではIRA(Irish Republican Army:アイルランド共和軍)と並ぶ組織です。ETAが独立を唱えるバスク地方は、スペインとフランスの国境に位置します。現在はおよそ半分の土地がスペインに属し、ピレネー山脈を挟んで、残りの半分がフランスに属しています。ここには石器時代の壁画で有名なアルタミラ洞窟があり、人々はバスク語という他のヨーロッパ言語とはまるで違う言葉を使い、バスク人の8割以上は血液型がRhマイナスであるという、まったくもってルーツの不明な土地なのです。そうそう、ベレー帽はバスクの民族衣装ですよ。バスクは自然が美しく、鉄鋼業が盛んで、ワインの産地でもあり料理が美味しく、人々はおしなべて勤勉であるとよく言われます。

反面、その地理的条件から幾度となく戦火や圧政にさらされてきた土地でもあります。ピカソの絵で有名なゲルニカは、バスクにある小さな町(※※)です。また、現在こそスペイン側のバスク地方は自治州ですが、フランコ独裁政権時代(※※※)には自治権は剥奪されバスク語の使用も禁じられていたという歴史もあります。

さらに、2002年にはETAの活動基盤になっているという理由から、スペイン政府はバタスナ党という政党を非合法化しました。バタスナ党はバスクで実に1割以上の議席を占める政党です。民主政権下において特定の政党が非合法とみなされるというのは極めてまれな出来事です。

このような背景から、スペインでは「バスクの人々の気持ちはよくわかるが、ETAのやり方には賛同できない」という意見が多数のようです。その通り、いくらETAは予告するのが慣例とはいえ、一般市民を無差別に巻き込む可能性の高いテロ活動は独立運動にプラスになるとは思えません。

が、それと同時に、だからといって「平和的」なやり方ではいつまで経ってもバスクの独立はかなわないだろうとも思います。決してテロ行為を肯定するわけではありません。が、暴力はいけないだとか人の命は尊重しなければいけないだとか自分の家族や恋人や友達をある日突然テロで失うことを想像してみろだとか、そういうことは、きっと自分がバスク人ではないから思えるのです。

上にも書いたように、今回のテロの首謀者はまだ完全には特定されていません。これがETAによるものであればスペイン内部、範囲を広げたとしてもせいぜいEU内の問題なのですが、アルカイーダが関与しているとなれば話は変わってきます。現在イラクにはいろんな国の軍隊がいる中で特に名指しで警告されている日本も、決して他人事ではないのです。

さらにスペインでは総選挙で野党が勝利し、イラク駐留中のスペイン軍はどうも撤退しそうです(CNN.co.jp)。イギリスがEU内でどんどん微妙な立場になっている気がしますが、こちらは今後どうなるのでしょうね。


※献血といえば、ドイツに半年以上いる私はもう日本で献血できません(厚生労働省のQ&A)。じゃあドイツではどうなのかというと、今度は体重が足りなくて献血できません。ぐあー。

※※ゲルニカ(Guernica):ナチ空軍によって徹底的に爆撃され破壊された町。この無差別爆撃の報せでパブロピカソが怒りに震えて描いたのが例の巨大な絵「ゲルニカ」であり、ナチの軍人に「この絵を描いたのはお前か」と問われて「いや、これを描いたのはあなたがただ」と答えたというエピソードが有名です。ちなみに、ピカソの名前はPablo Diego Jose Santiago Francisco de Paula Juan Nepomuceno Crispin Crispiniano de los Remedios Cipriano de la Santisima Trinidad Ruiz Blasco y Picasso Lopezだそうです。長い!(参考:Wikipedia)

※※※フランシスコ・フランコ(Francisco Franco)政権:スペイン市民戦争(1936 -- 1939)後に成立した独裁政権。上記のナチによるゲルニカ爆撃は、ナチ政権がこの戦争でフランコ側をサポートしたという背景によるもの。フランコについては、Wikipediaの英語のドキュメントがいろいろと詳しいです。

投稿者 akiko : 19:35 | コメント (0) | トラックバック

2004年03月08日

ミルクライス

いきなり大人の話題で始めるのは恐縮ですが、

女性が性行為「騒音」訴訟、隣人男性反発するも移転(ベルリン)

ドイツってドイツって・・・いえ、平和で大変良いことです。そして、ここのところ毎日朝7時に始まる近所の道路工事で寝起きの頭痛が倍増している私は、あまり他人事とは思えません。いや、ちょっと違うな。CNN.co.jpが掲載するドイツ関連のニュースってこういうのばっかりなんですよね。他には、

ギャンブル借金払えず、「入れ歯」奪われる(ドルトムント)

とか。まあ慢性的な高失業率にもかかわらず平和であるのは大変喜ばしいことですね。

先週買い物に行った時に見つけてずっと気になっていたとあるブツを購入してみました。それは、ミルクライス+チェリーソースという物です(写真参照)。ミルクライスとは、そのまんま牛乳で炊いた米で、チェリーソースはクランベリーソース(※)のさくらんぼ版という感じです。パッケージの写真はカレーのような盛りつけになっていますが、これははたして食事なのか?それともデザートなのか?どきどきです。

で、おそるおそる食べてみました。パッケージの裏にはライスを電子レンジで温めろと書いてあったような気がしますが、電子レンジはないのでそのまま食べてみます。なんだかプリンみたいです。びくびくして食べたにもかかわらず、これはなかなか美味しいです。温めるともっと良かったんでしょうか。でも、温めてもし牛乳の匂いが立ちのぼってきたら、多分私は食べられません。なので、これはこれで良かったのではないかと。

ドイツ人の友達が「ドイツ人はいろいろ混ぜてみたがるんだよね」と言っていましたが、たしかに牛乳と米とさくらんぼの組み合わせなんて、私の頭からは絶対に出てこなさそうです。他にも彼らはビールとコーラを混ぜてみたり、ビールとレモネードを混ぜてみたりしています。前者は未経験ですが、後者は史上最悪の猛暑だと言われたこの夏に大変重宝しました。

ミルクライス、食べてみたい人は是非ドイツまでお越しください。要冷蔵の上に数日しかもたないので、送ったり持って帰ったりすることは無理そうです。

あと、こういうものを見つけました。

アフガニスタンにランドセルを送るプロジェクト

興味のある方は是非どうぞ。


※クランベリーソース:そのまんま、クランベリー(cranberry)で作ったソースです。クランベリーは北アメリカ原産の小果樹(ツツジ科)で、茎はつる状、実は美しい赤い色をしています。私には、クランベリーソースは感謝祭の時にローストターキーにかけるもの、という認識くらいしかありません。他の時にも食べるのかもしれませんが、果物を料理に使うのがあまり好きではない私(←酢豚にパイナップルを入れるな派)は、よく知らないのです。

投稿者 akiko : 19:54 | コメント (0) | トラックバック

2004年03月01日

ふたたび宗教について思うこと

先週、Passionには「キリストの苦難」という意味があると書いたら、その名も"The Passion of the Christ"という映画が公開されてちょっとびっくりしました。監督はメルギブソンだそうで。私がこの映画のことを知ったのは次の記事を見たからです。

米女性が心臓発作で死亡、ギブソンのキリスト映画鑑賞で(CNN.co.jp)

この翌日に、日本ではオウム真理教教祖の松本被告に対する死刑判決が下りました。なんだか不思議な気分です。宗教とカルトの違いって何でしょうね。その名の下に人が殺されればカルト?この定義が正しくないのは歴史を見れば、いえ、歴史じゃなくても新聞を見れば明らかですね。

今回の死刑判決は彼がしてきたことと照らし合わせれば妥当ではありますが、オウム真理教には現在もかなりの信者がいる(しかも日本だけではない)ことと、すべての宗教は教祖の死後にこそ発展したことを考えると、本当に大丈夫かなという気になります。ここで彼を死刑に処すと、上記の映画さながらの材料を作ってしまうことになるのではないかと思うのです。しかし、だからといって何か代替案があるわけでもないのですが。

私自身は特定の宗教に帰依しているわけではありませんが、他人が何を信仰しようと気になりません。ただし自分の生活が干渉されない限りは、という条件つきですが。しかしこれがなかなか折り合わないんですよね。布教も信仰のうちである宗教もありますし。拍手(かしわで)の打ち方も知っていれば結跏趺坐(けっかふざ:禅定修行の坐相)も組めるしヨーロッパの教会美術に感動する私は、柔軟で平和だと言われたこともあれば、心のよりどころがないなんて不幸な人だと言われたこともあります。おそらくどちらも正しいのでしょう。

最も目から鱗だったのは、アメリカ人のキリスト教徒に「あなたは宗教を持たないと言うけれど、あなたの生活規範には仏教や神道の影響が少なからずある。もちろんそれだけじゃなくて儒教とか他の哲学も入っているけど。でもあなたはまったくそれを意識していないし、しようともしない。当たり前のこととして生活に融け込んでるよね。本来宗教とはそういうふうにあるべきもので、自分は何々教徒だと声高に主張しなければならないうちはまだ何か足りないんだと思う。私はあなたが羨ましい」と言われたことです。なるほど、そういう見方もあるんですね。というか、一神教の人は頭かたくってやだわーなんて偏見持ってた私が悪かったごめんなさい、と謝りたくなった一幕でした。

今週は桃の節句があるので、友達とちらし寿司でも食べようと思ってすし太郎を買ってきました。菱餅も草餅も無理なのですが、すし太郎くらいは手に入ります。日本はデフレでいろいろと値下がりしているようですが、ザールブリュッケンの日本食需要は低く競争もないので、そんなこととはまるで関係なくすし太郎は高価です。でもまあ、こういうのもたまにはいいです。曲水の宴(※)を張れるような教養が私にあるわけもないので、ちらし寿司でお茶を濁すということで。


※曲水の宴(きょくすいのえん):上巳(じょうし:五節句のひとつで、陰暦三月初めの巳の日。後に三月三日に固定)に行われた、古代朝廷の年中行事。参加者は曲水に臨み、上流から流される杯が自分の前を通り過ぎる前に歌を詠んで杯をとりあげ酒を飲み、次の人へ流す。その後、別の宴席を設けて詩歌の披講会・・・き、きびしすぎる!私だったらプレッシャーに負けて前日に熱出してます。
昔の人は蹴鞠はできるわ楽器はできるわ歌は詠めるわ酒は飲めるわ、いろいろと器用なんですね。自分の歌の才能のなさを嘆いて鬱病とか自殺とか、そういう平安貴族はいなかったんでしょうか。他人事ながら心配になります。あ、でも、歌合で負けたことが原因で気落ちして亡くなった人はいましたね。

投稿者 akiko : 08:36 | コメント (0) | トラックバック