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2004年12月20日

ゲイシャ幻想 2

ついに観ました!うずまき。いえ、私がひとりで気になっていただけで、別にどこかで流行ってるとかいうわけではありませんけど。原作の漫画を知っているので、正直なところあまり映画に期待はしていませんでした。あの原作の気持ち悪い雰囲気を映像にするのは無理だろうと思っていたので。

ところが、予想に反してなかなか良い出来でした。主演の二人の大根ぶりが気になりますが、中年以上の役者はかなりはまり役が多いです。まあ映画か漫画かと言われれば原作の漫画をおすすめしますが、話の種に観てみるのも悪くないです。このDVD出てるよと教えてくれたドイツ人の友人は、映画館でこれを観て他にはまずない新しいホラーだといたく感銘を受けた模様です。うずまき観て感動する友達も友達なら、これを上映するザールブリュケンの映画館も映画館ですが。

さて、先週の続きですね。なぜ「ゲイシャ」は誤解されるのかという話です。簡潔に言えば、そういう商売が存在しないから。以上です。ドイツだけではないと思いますが、こちらの風俗産業はものすごーくシンプルです。基本的に、ストリップ小屋か娼館かしか存在しません。そんなのつまんねー!と思った人は日本人ですよ。それじゃほんとにつまらんと私も思う。

というわけで、女性が酒と話の相手をしてくれる「だけ」、そういう雰囲気を楽しむ場を提供するという商売(まあ裏にはいろいろあるとは思いますが、それは置いておいて)は、こちらには存在しないのです。そりゃ知らないんだから理解しようがないのは当然ですね。しかしなぜそこでそのまま理解せず、自分たちの基準に合わせてねじ曲げようとするかねー。

で、そのねじ曲がったイメージをさらにねじ曲げて日本女性一般にあてはめられると、当の日本女性としては迷惑千万なわけです。いわく、日本女性というものは楚々としていて常に控えめでそれでいてよく気が回っていろいろと整えてくれて…と、ここまでは舞妓さんのイメージですね。まあ間違っちゃいませんが。つーか彼女らはそういう接客を生業とするプロフェッショナルなわけで。そのプロの仕事を一般人に求める時点ですでに間違いというものです。さらに、「ゲイシャ=キモノを着た娼婦」イメージまでくっつけてくれますし。

まあここまで失礼な人にはさすがに滅多にお目にかかれませんが、まったくいないとも言えません。「あながち間違いじゃないですねえ。そりゃーいい男には何でもしてあげたくなるというものですよ。あ、あなたのことじゃないんでどうかご心配なく」とか言って相手を黙らせる私も、そうとう性格悪いとは思いますが。お互いさまですねー。

さて、私は年末年始にちょっと小旅行の予定です。次回の更新は年明け早々ということで。皆様良いお年を。

投稿者 akiko : 23:18 | コメント (0) | トラックバック

2004年12月13日

ゲイシャ幻想 1

ソニーのプレイステイションポータブル発売は、こちらでもかなり大きく報じられています。写真はちょっと小さくて見にくいかもしれませんが、これを伝えるドイツ語のニュースサイトです。徹夜で並んでいる人たちの写真もウェブのあちこちにありましたね。私が見たのは英語のサイトですが、「一般人がこういう時に路上で時々仮眠しながら夜明かししても治安上の問題はない」と書かれていました。言われてみればたしかに世界的には珍しいことです。日本国内だと当たり前な感じですけど。私が見た写真は新宿あたりだったと思いますが、世界屈指の大都市としてはちょっと他に考えられない安全さです。

まあいくら世界的にはまだまだ治安はいいとはいえ、日本人にとってはやはりなんだか物騒になってきた感じはしますけれどね。で、

外国人入国時に指紋採取 政府対テロ防止行動計画

だそうです。ようやく!という感じですね。ほんと、これが必要なのはアメリカよりも日本です。日本の外国人登録って、現在は指紋採取しないんですよね。日本の外国人犯罪はどんどん凶暴化しているように見えますが、ちゃんと外国人登録するような人たちはそうそう犯罪に走らないとの判断でしょうか。

入国時に指紋採取なら抜け道ありませんものね(不法入国はまた別の問題)。いえ、別に外国人=犯罪者だとか思っているわけじゃないんですよ。けど実際多いわけですし、中には日本と犯罪者引渡しの条約を結んでいない国だってあります。それに、日本人なら戸籍がありますが、外国人登録をしない限り外国人には個人データがありませんし。ちなみに、廃止となった外国人登録時の指紋押捺は両手指すべて、それも指の腹だけではなく側面の爪に近いところから指の前面まで含めて採られていたと、日本にいた頃アメリカ人の友達から聞きました。すごい…両手の人差指の腹だけですむアメリカなんてかわいいもんですね。

さて、いつのまにか長くなった海外生活の中で、慣れたことはいろいろありますがいまだに困ることもいろいろとあります。服のサイズがないだとか、好きな長さに切って使えるタイプのヘアゴムがないだとか、マヨネーズがまずいだとか、魚がとても食べられたものではないだとか、かゆいところに手が届く的な生活用品がないだとか、包丁がどれもこれも恐ろしくなまくらでかえって危険だとか、そういうことはまあわりと何とかなるものです。

むしろいつまでたっても慣れないのは、時々聞かれる妙な質問だったりします。まあこれは同じ人が同じことをなんべんも聞いてくるわけではないので、しょうがないといえばしょうがないんですけど。ニンジャを見たことがあるかと初めて聞かれた時は、つい盛大に吹き出してしまったと同時になんだか感激しました。ほんとにこういう質問されるんだーと。ついでに、これは「ショーグン」バージョンと「サムライ」バージョンもあります。

空手や柔道はどのくらいできるんですかと、明らかにビビりながら聞かれることもあります。私は、胴着の帯の締め方すら知らないというのに。たとえ献血もできないような貧弱な体格(私のことですが)であっても、日本人相手に下手なことを言えば半殺しの目にあうと思われているんでしょうか。まあこれはあえて訂正も否定もしない方がかえって身のためかもしれません。競技人口だけでいえばもはやフランスあたりの方がよっぽど柔道大国なんですけどねえ。大統領からしてああいうふうですし。

一番困るのが、「ゲイシャ」幻想とでもいいますか、ひいてはそこから派生する日本女性に対する先入観と期待と幻想と…ぐぁぁぁぁうぜー!(←本音) なんせこれは自分にそのまま降り掛かってくることもあるので、他人事ではないのです。そもそも芸者という言葉では意味が広すぎるだろうとかいうあたりはまだ目をつぶれるとしても、芸者は「着物を着た娼婦」ではなーい!これはもう、こういうことを言う奴の胸ぐらひっつかんでがくがくゆさぶりながら声を大にして主張してもいいくらいです。

しかし、どれだけ言葉を尽くして説明してもいまいちピンとこない人が多いのはなんでかなあ…とずっと不思議に思っていたんですが、最近その理由がなんとなくわかってきました。それを書いていたらえらく長くなってきたので、続きは来週ということで。

投稿者 akiko : 20:16 | コメント (0) | トラックバック

2004年12月06日

ステップフォードワイヴズ

ニコールキッドマン主演のステップフォードワイヴズを観てきました。キッドマン本人はこの世のものとは思えないほど美しいけど彼女が出る映画はどれもこれもいまいちなんだよね…とまったく期待せずに観に行ったんですが、予想を大きく裏切られてとても面白い映画でした。

ブラックコメディというかホラーコメディというか、そういう映画です。これでもかこれでもかと出てくるフリフリレースの内装やドレスには頭痛がしますが、まあその頭痛も映画のうちです。キッドマンは長い金髪のゴージャスさも素敵ですが、ブルネットに染めたショートボブも似合いますね。他のキャストも、オーバーアクション気味の女性陣と抑えた演技の男性陣という組み合せで観ていて飽きません。ラリーキングが彼のCNNのプログラムそのまんまで出演していたのには大笑いしました。

観に行った時は、実はこれがリメイク作品だとはまったく知りませんでした。オリジナルは同題でキャサリンロス主演の1970年代の作品だそうです。アメリカの70年代といえばまさにフェミニズム真っ盛り、それも「男に負けないためにはひとつのミスも許されない」という時代ですね。今からすれば肩に力入りすぎですが、現在の視点から過去の価値観を断罪するのは無意味です。

そういう時代背景をふまえて思い返してみると、ほんとうに面白い映画です。今でこそ"Nobody's perfect."と当たり前に言いますが、映画の中の"We don't need to be perfect."という台詞は、当時どのように受けとめられたんでしょうね。完璧さを「男社会でのしあがれる女」ではなく男性の視点からの完璧な女性というまったくの逆方向に向け、その挙げ句にこの台詞を言わせるのはうまいなあと思いました。当時のフェミニストに川の対岸を見ていると思わせて、実は鏡を見せているという製作者のトリックですね。オリジナルも観てみたいなあ。

この映画はグラフィックス技術がうまく使われていて、観ていて面白かったです。映画ではなくSIGGRAPHか何かのデモを2時間観続けているかのような気になる種類の映画が最近多くて、いい加減うんざりしていたところなので。フォレストガンプやタイタニックのようなCG技術の使い方は好感が持てるんですけどねえ。

投稿者 akiko : 21:26 | コメント (0) | トラックバック