こんにちは、カサギです。

もういろいろなところで吹聴し回っているので、ご存知の方も多いかと思いますが、この場を借りて改めてお知しらせしたいと思います。
ハリウッドを志して早3年、以前自分がエフェクトを担当した映画「Beasts of the Southern Wild」が、
な、なんと……

今年のアカデミー賞にノミネートされました!

えぇ、まごうことなき本物のアカデミー賞ですw
映画はBest Picture と Actress 部門にノミネートされています。

詳しくはこちらのオスカーサイトをご覧ください。

http://oscar.go.com/nominees

残念ながら Visual Effects 部門に名前はありませんでしたが、(まあ、相手が The Hobbit や the Avengers, Snow White だと考えると当然ですが)、正直まったく予想していなかったお知らせに、発表当日の朝は食べてたコーンフレークを噴き出す始末(笑) おそらく予算的には The Avengers とかの1/10000 くらいでしょうw
VFX エグゼクティブディレクターのキャサリンを始め、この作品に関わったAAUの生徒は、朝から蜂の巣をつついたような騒ぎでした。

夢にまでみたハリウッドのコダックシアター(今はドルビーだったっけ?)のスクリーンに自分の名前が流れる可能性があると思うと楽しみでしかたありません。
しかし、初ハリウッド作品がいきなりアカデミー賞にノミネートされるとは……。
んー、新年早々あまりに運がよすぎるので、この先なにか起きないか心配になってきました(笑)

サイトの方でも告知してある通り、発表は2/24(日) になります。
下馬評では Lincoln か Life of Pi と言ったところですが、発表当日まで何がおこるかわからないのがアカデミー賞。
とりあえず、今からタキシード買いに行って、サインの練習をしておきます(笑)

さて、話は変わって。
今回はANM 352 Matchmoving の後編と言う事で、実際にMatchmoving のショット撮影した際のレポートをお伝えしたいと思います。

前回までのお話で、如何にマーカーの無いショットや手ぶれの大きいショットが、その後のトラッキングに影響を及ぼすかはお分かり頂けたかと思います。
…と言う事は、撮影の際にきちんとセッティングをしておけば、その後ポスプロの作業がぐっと簡単になるわけです。

モーションピクチャ学部の友達曰く、「あとはポスプロでなんとかしよう。」と言う言葉がよく使われるらしいのですが、ポスプロ側からすると、あくまでポスプロはポスプロなので、ヘボショットはどんなにお金をかけて直してもヘボのままだったりします。
なので、撮影の際はちゃんと記録することは記録して、測るものは測って、最高の状態で次のプロダクションに仕事を渡してもらいたいものです(わりと真剣)

さて、話を戻して。
今回の撮影は、以前このブログでも消化したグリーンスクリーンルームで行われました。
グリーンスクリーンルームの説明は、過去の記事を参照してもらう事として、今回はそこにどうやってトラッキングマーカーを設置し、そして撮影に臨むのかをご説明したいと思います。

いきなり未来的な道具が登場しました(笑)
工事現場などでおなじみの水平計に、レーザーポインターで、水平線と垂直線を投影できる機能が付いています。
これなら始めからトラッキングマーカー同士が確実に水平・垂直を表せるため、Mayaに読み込んだ際に、マーカーグループ(カメラも含む)を3Dシーン全体にあわせて、回転する手間が省けます。

さらに各マーカー間の距離を一定にしておけば、シーン全体の距離間も分かりやすく、先ほどと同じで、マーカーグループを3Dシーンに合わせて拡大・縮小しやすくなります。
(まあ、この辺の手間はやっている人にしか分からない苦労だったりしますw)

BGトラッキングマーカーの設置完了。
きれいに設置出来たので、トラッキングはかなり正確に出来ると思います。

続いて、今度はMiddle-Ground, FG のトラッキングマーカーを設置。
これらのテーブルはすべて後で 3Dのオブジェクトに置き換えられる予定です。(たぶん)

続いて、撮影用カメラを載せるドリーテーブル(日本語だと台車?)を設置します。
まあ、始めからレール用のセットがあるので、それを敷いてその上に台を載せるだけなのですが、なぜか滑車がかみ合わず手こずる事に…。

設置完了。スムーズに動くか確認します。

続いてカメラをセッティング。

と言っても、今回使用したのはCanon の一眼レフカメラ。
日本の映像業界で働いている友達曰く、「最近は一眼のビデオ撮影機能がかなり良くなったうえに、一眼はカメラ用のレンズを使ったきれいなボケが撮れるので、プロの現場でもかなり使われている」との事。
ちなみに、お値段を聞いたところ、ボディが$2000 レンズが$4000らしいです。
…まあ、どっちにしろ自分には買えませんね(涙

撮影の際に、Focus Length の値を必ず記録しておきます。
ちょっと見えにくいですが、緑色のテープの上に、最初の値と最後の値の部分に印がしてあり、毎回同じ値で撮影するようにしています。

セッティング完了。
これから撮影に移ります。

まずは台本を確認。

続いてアクターの人がスタンバイにはいります。
(のちにキャラクターはすべて3Dに置き換えられるので、とりあえず参考程度に演技してほしいとのこと)

そして、撮影開始。
カメラには写らないのですが、記録係り、台車を押す人、カメラマン、ディレクター、照明など、見えないところで多くの人が参加しています。

撮影の実際の様子は動画があるので、そちらで雰囲気を感じてもらえれば幸いです。

撮影前の打ち合わせ。

いざ撮影へ

いかがだったでしょうか?
来週からはしばらくテクニカル的な記事が続くと思います。
まずはその第一弾として、ANM499 Massive のレポートをお伝えしたいとおもいます。

それでは、また。

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プロフィールの詳細はコチラ

Hirofumi Kasagi (カサギ)
Effects Artist / 3D Generalist

福島県立会津大学を卒業後、2010-13年 アメリカはカリフォルニア州サンフランシスコ市にある Academy of Art University にて Animation and Visual Effectsを専攻する。

在学中から積極的に学外での映画製作に協力。
ハリウッド映画「Beast of the Southern wild」の制作に学生と言う立場で参加。
同作品は2013年度のアカデミー賞にノミネートされる。

AAUを卒業後、カリフォルニア州オークランドにあるVFXスタジオ「Atomic Fiction」に勤務。
現在もハリウッドの最前線で活躍を続けている。

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(一部日本では未公開)


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