2012月11月アーカイブ

こんにちは、カサギです。

話は先々週の月曜日のこと。
「あ、来週からSIGGRAPH ASIA でシンガポールに行くから、課題は19日までに出してね。よろしく。」
ANM451 Renderman の先生が言ったこの一言が、留学生活で最も大変だった課題の幕開けでした。
何が大変かと言うと、ただでさえブラックボックスの多いPIXAR Rendeman Studio(詳しくは次回以降の記事で)を使って、スクラッチからシーン丸々シェーディングしてこいと言う事と、それをなんと1週間で仕上げなければいけない(普通は2週間以上欲しい…)と言った、最悪の条件がそろっていました。

さらにレンダリングしなければいけないフレーム数が、なんと400フレーム…。
学校のへぼマシンでは、1フレーム3~5分はかかると考えると、レンダリング終わるまでに21時間から35時間かかる計算に…。
…いや、無理でしょこれ。レンダリング一発で終わるわけがないし…(レンダリング後必ず何か問題点が見つかる(経験則))

前も言いましたが、エフェクト・ライティング・シェーディングなどは、実際の作業が終わった後にもこのレンダリングにもの凄く時間が取られます。
折しもラボにはANM 251 Texture & Lighting のクラスの課題と被ったらしく、その週は午後からラボは満席。(まだ、ファイナルじゃないのに!)
みんな空いたマシンにキューを投げるものだから、ただでさえ足らないライセンスがさらに足らなくなり、席も足らなくなり、時間も足らなくなり…ヽ(`Д´)ノウワァン.

おまけに貰ったシーンデータは、思わずFワードが出てしまうほどいい加減な作り方で、ポリゴンノーマルはフリップしまくり、パーツが他のオブジェクトにめり込んでいる、あるべきパーツがない、名前付けがめちゃくちゃ…と、作業に入る前にまずは何が壊れているかから見つけなければいけない始末…。
(もしこのモデラーがいたら、その場でクラス中から村八分が確定するくらいヒドイデータ(涙))

とにかく、ミスをしないように、ミスをしないように…と慎重な作業を心がけて、1週間があっという間に過ぎました。
最後の3日位は徹夜とは行きませんでしたが(学校は午前1時半に閉まる)、ラボが空いている時間はほぼ缶詰状態。

課題が終わったのは、締切の前日の午前12時半。
まあ、なんとか課題は無事終わらすことができ、講評でもかなり良い評価をもらったのですが、個人的にはかなり反省の多い課題でした。
(やはり、1発レンダリングでは後から問題点が出てきた…)

…正直、2度とやりたくない課題でした。

さて、話は変わって。
今回は ANM342 VFX3 (通称:Nuke1)の紹介をしたいと思います。
お気づきの方もいるかもしれませんが、ANM342 は前回紹介した ANM341(通称AfterEffects) クラスの続きで、Nukeという編集ソフトを使って授業を進めて行きます。
ANM 241: Photoshop → ANM 341: AfterEffects → ANM 342: Nuke1 とまるでコンポジットの歴史を習うかのように進んできた授業も、今回からいよいよノードベースのソフトを習って行く事になります。

続きを読む: ANM&VFX クラス紹介 -ANM 342 VFX 3 Nuke1編-

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こんにちは、カサギです。

先日、学校にParaNorman でおなじみのLAIKAスタジオの方が来て、映画のメイキングや苦労話などを語っていただく機会がありました。
(ParaNormanについてはこちら)

実はANM&VFXのキャサリンの推薦で、その講演の前に1対1で『VFXスーパーバイザー』方から直接ポートフォリオにアドバイスを頂ける事になりました。
VFXスープ(スーパーバイザーのこと)と直接話す機会なんて滅多にないので、SIGGRAPHの時に作ったデモリールと、名刺、履歴書などを持って気合いを入れて行くことに。

部屋に呼ばれて、笑顔で握手を交わし、いざ面接スタート。
とまあ、ここまではいつも通りの展開なのでさして緊張することもなかったので、デモリールを見せつつ、つらつらと「こんな考えでこうした」とか「ここは、こう言った工夫をした」など、ソフトの名前と機能をあげつつ笑顔で説明を……

…するのですが、なぜか相手の表情は曇ったまま…(えぇぇぇ…と心の声)
あまりの反応の悪さに、自分の英語がいけないのか、それとも説明が下手なのか、とかなり焦ってきます(笑)
まあ焦りだすと、とたんに英語がしどろもどろになり、言いたい単語も出てこないと言った悪循環に陥るるわけですが、今回はいままでの面接の中でも最悪の出てこないっぷりでした。
向こうも違う話題を振ってくるのですが、それが「最近見た映画で何が一番おもしろかったか」とか、「その映画のどのショットが良かった」など、当たり障りのない質問のはずなのに、「ここのショットのこのエフェクトが良かった」とか「このエフェクトはこういう風に作ってると思う」と答えると、相手は無反応のまま……。

「…早くここから帰してくれぇー!(涙)」と心の中で叫びつつ、ポートフォリオレビューは予定よりかなり早く終了(苦笑)

「あぁ、きっとLAIKAには縁がなかったんだな…」と半分あきらめかけつつ、早く話を切り上げて帰ろうとした自分に、最後に彼がこんな一言を。

「君のデモリールは非常に面白かったよ。
 ただ、僕は『パペットアーティスト』(人形に動きをつける人)だから、ちょっと具体的なアドバイスはできないかな。」

……
………
…What’s? 今なんとおっしゃいました? ……パペットアーティスト?

まあ、オチとしては、自分がVFXスーパーバイザーだと思って話していたのは、なんとVFXと全く関係ないパペットアーティストの方だったのでした。
(えぇぇぇ!?そんなオチ!)
そりゃ、どんなにがんばってHoudini の話をしても無反応な訳ですよ…(涙)
まあ、結論としてはコーディネートしてくれた担当の方のミスだったわけですが、自分もなぜ始める前に相手を確認しなかったのか反省する次第です…。
…あぁ、無駄に胃が痛くなった1日でした。
 
さて、話は変わって。
今回はANM 341 VFX 2 の期末課題を紹介したいと思います。
前回のプロジェクトでは「カメラマッピング」を使ったショットを紹介しましたが、今回はそれに加えて「グリーンスクリーン」で撮った実写の映像をマッピングした映像に合成してみたいと思います。

続きを読む: ANM&VFX クラス紹介 -ANM 341 VFX 2 後編-

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PROFILE


プロフィールの詳細はコチラ

Hirofumi Kasagi (カサギ)
Effects Artist / 3D Generalist

福島県立会津大学を卒業後、2010-13年 アメリカはカリフォルニア州サンフランシスコ市にある Academy of Art University にて Animation and Visual Effectsを専攻する。

在学中から積極的に学外での映画製作に協力。
ハリウッド映画「Beast of the Southern wild」の制作に学生と言う立場で参加。
同作品は2013年度のアカデミー賞にノミネートされる。

AAUを卒業後、カリフォルニア州オークランドにあるVFXスタジオ「Atomic Fiction」に勤務。
現在もハリウッドの最前線で活躍を続けている。

【ホームページ】

【デモリールなど】

【参加作品】
(一部日本では未公開)


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