« 風邪です | メイン | あけましておめでとうございます »
2002年12月23日
ドイツの大学

今週で今年の授業はすべて終わり、2週間の冬休みに入りました。年明けにプレゼンテーションを控えているので、この準備に追われそうです。アパートの中にも小さなクリスマスツリー(写真。夜景モードはどうしても手ブレしてしまいます。すみませんー)が飾られています。もうすぐ歳末ですねえ。近所の家も道路に面した窓の内側に小さなクリスマスツリーなどを飾っているところが多くて素敵です。
先週のコラムを読み返してみたら、なんだか太宰治の「懶惰の歌留多」(青空文庫で読めます)冒頭の真似っこのできそこないみたいですね。
すべて、のらくら者の言い抜けである。(中略)酒、のむとなると一升くらい平気でやって、そのあとお茶漬を、三杯もかきこんで、そんな病人あるものか。
うわーこれ私だー。すいませんごめんなさいもうしませんーー。そんな不良病人でしたが、おかげさまで現在小康状態です。治ったと思った途端、寝ている間に布団を蹴り飛ばして風邪がぶり返しましたが、だいぶ良くなってきました。いい歳こいてなーんでこんなに寝相が悪いかなーもう。先週末に寝て過ごしたツケで週明けからいきなりほとんど寝られない一週間でしたが、冬休みに入った現在、ピンピンしております。
くしゃみを連発していた私にまわりのドイツ人がドイツ語で何やら言ってくれていたんですが、自分のくしゃみが大きすぎてまったく聞き取れませんでした。英語で言うところの "(God) bless you" のドイツ語版であることは想像がつくので "Danke" と返しはするものの、実は何と言われているんでしょうか。ああ一度でいいから小鳥のようなくしゃみをしてみたい。私のくしゃみは直後にこんちくしょうとかばかやろうとかついてもなんの違和感もない豪快さで、たまに自分で驚くほどです。アメリカにいた時は、私のくしゃみに驚いたらしい犬に吠えられたこともあります。くそー。
さて、やっとドイツの大学についてです。私が在籍しているのはMaster's degree、日本でいう修士号取得のためのプログラムです。一般的に、ドイツの大学でドイツ人が在籍するのはDiplomaといわれる学位(修士号と同じとみなされます)のためのプログラムであり、システム上は異なります。Diplomaコースはドイツならどこの大学にもあるはずですが、Master's degreeをどこでも取れるとは限りませんのでご注意を。Diplomaコースには、いわゆる学士号(Bachelor's degree)は存在しないようです。一応学士論文のようなものは書くようですが、それを書いたからといって学位を発行されるわけではないようです。こちらのプログラムについては私は詳しくありません。あしからず。
上記のDiplomaコースは最低9学期(4年半)以上、平均で12学期ほどかかるようですが、私の在籍するプログラムは修士のみなので1年ないし1年半です。この学校では、授業はDiplomaコースもMaster's degreeコースも一緒にまとめて英語で行われます。いくつかはドイツ語のみの授業もあるようですが、クラスにひとりでもドイツ語のわからない生徒がいる場合、ほぼ例外なく英語で行われるようです。稀にそれでも授業がドイツ語でなされる場合は、TAによる手厚いサポートがあるようです。また、どちらのコースに在籍していようが、ドイツ人であろうがなかろうが、授業料と諸経費(tuition and student fee)は無料です。このように必要なお金は生活費と健康保険料のみなので、学生、特に博士課程に在籍するドイツ人学生の平均年齢は比較的高いです。それでも別に困らないようになっていますし。
これだけ教育環境が太っ腹だとそれはそれは税金が高いんだろうと思われた方、その通りです。参考までに、ドイツの消費税は15%か16%、そのあたりです。ただし日用品にはかかりません。また奨学金・学内のバイト(TA等)も無課税のようなので、学生に影響はありません。しかも先日当選したばかりのシュレーダー首相は増税方針を打ち出したので、いくつかの税率がさらに上がるようです。これについてはドイツ内で批判が相次いでいるようですが、どうなることやら。
私の在籍するプログラムの卒業条件は、授業(だいたい7〜8クラス)と修士論文です。これを1年ないし1年半にて・・・だ、大丈夫かな・・・頑張ります。寿命は多少縮むかもしれませんが。
私にとって今年最後の授業はたまたまMPIIの研究所長によるもの(お題はGeometric Modeling。数学ですがなー)でした。授業の終わりに「この中で冬休み中ザールブリュッケンにいる人は?」と聞かれほぼ全員が手を挙げたところ、「僕も何度かあなたたちのような外国暮らしをしていたことがあって、外国でのホリデーシーズンにどんな気持ちになるか少しはわかるつもりです。あまりネガティブにならないように。また来年お会いできることを楽しみにしています。Happy new year!」と言われてちょっと泣きそうになりました。アメリカより格段にストレスが少ないと感じていたドイツ生活でしたが、それでもやはり多少は疲れているようです。お正月は餅を食べようっと。皆様も良いお年を迎えられますよう。
投稿者 akiko : 2002年12月23日 02:42
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://aizu.nowhere.co.jp/mt/tkevn244.dir/2585