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2004年09月28日

嗜好品いろいろ

秋分の日も過ぎ、どんどん日が短くそして天気が崩れてきています。休みの日の午後に本を読みながら太陽の下で一杯、というささやかな贅沢も終わりです。あー残念。まあ、家でのんびり飲むのもいいものなので、そちらに切り替えることにしよう…と、いつものように土曜日に食糧の買い出しに行って、ワインを買ってきました。一瓶3ユーロ程度のモーゼル・ザール・ルーヴァーワインは魅力的です。しかし持って帰るのは重かった…でも飲むためなら私は頑張るのです。

買ってきたワインは、ほんのり甘くておいしいです。ドイツはワイン用の葡萄が栽培できる北限だそうで、赤ワイン用の方がより太陽を必要とするために、ドイツワインは白が主なのだとかなんとか。太陽をいっぱい浴びたワインといえば、たまに飲むんですがコルシカやシチリア物はとても美味しいです。おすすめ。

まあドイツ全般で見ればワインよりもビールですかね。ドイツには、日本のように全国どこでも飲める大手ビール会社というものはなく、どこも地元の地ビールです。ドイツに限らず、ヨーロッパは酒飲みがとても暮らしやすいところですねー。2ヶ月のインターンシップで来ていた日本人を、すっかり明るいうちからビール派にしてしまったのは私です。彼女の好きなラードラー(ビールとスプライトを1:1で混ぜる)は日本でそうそう飲めないのがやや残念ですね。ドイツ人はいろいろ混ぜるのが好きなようで、ビールとコーラが混ざったりもします。が、香り高いスコッチウイスキーをコーラで割るのはさすがにどうかと思います。

イギリスがすぐそこなためか、ヨーロッパ大陸側でウイスキーは作られていないためか、ウイスキーといえばスコッチが主流です。スコッチ好きには嬉しい限りですね。スコットランド人に「スコッチの最大輸出先は日本で、どんな奴が飲んでんのかと思ってたけど、お前みたいなのが飲んでたわけねー。なるほど」と妙な納得をされました。ふん。

アルコールなしの嗜好品といえばコーヒーと紅茶ですね。ドイツはコーヒーも紅茶も充実していて、どちらも産地別に量り売りする店がたくさんあって嬉しいです。私はウイスキーもシングルモルトがより好きなんですが、コーヒーや紅茶の嗜好もそれと似ています。不思議だー。ついでに、ドイツのコーヒーや紅茶はとても安いです。なんでだろ。「バニラフレーバー入り」緑茶なんて恐ろしいものではなく、ちゃんと日本の緑茶が置かれています。玉露もあります。これだけはものすごーーく高価ですが。

そしてドイツはハーブ先進国でもあります。が、私はどうもハーブティだけは好きになれません。小さい頃にさんざん病院通いをしていて処方されていたいろいろな薬の味に遭遇することが多くて、どうしても駄目です。鼻の記憶ってすごいですね。漢方薬にも使われるスパイス満載のインド料理などは大好きなんですけど。

と、酒飲みには優しいしコーヒー紅茶は安いしなのですが、例外的嗜好品は煙草でしょうか。まだドイツは1箱3ユーロですが、たしか来年あたりから煙草税が上がって1箱10ユーロほどになるはずです。これは欧州議会での決定によるもので、他の国は既にこの価格帯になっているところも多く、ドイツはむしろ出遅れています。私自身に喫煙の習慣はないけれども、喫煙者をヒステリックに非難するつもりもありません。が、レストランやカフェの中に1時間もいると髪も服も全部洗わなければならないほど匂いがつくという今の状況が少し改善されるなら、やっぱり嬉しいですね。

投稿者 akiko : 05:06 | コメント (0) | トラックバック

2004年09月20日

ウイグル人組織、米に亡命政府発足

急激に寒くなってきて、もう秋です。というか冬に入りかけています。今日はやや厚手のニットの上着を出しました。ああこれからどんどん日が短くなる…まだ夏時間中なのでなんとかもってます(って変だな)けどね。さて、

ウイグル人組織、米に亡命政府発足(読売新聞)

というわけで、ウイグル人の友達と祝杯をあげてきました。これはなかなかに大きな一歩ですね。イラク同様、アメリカはこの地域の天然資源が目当てなんだろうとかいう邪推の余地はありますが、現状としてはこれ以上はなかなか望めないステップです。本当に良かった。しかし祝杯…あんたムスリムでしょうがという私の突っ込みは、アッラーは寛大で慈悲深いから大丈夫とあっさり流されました。まあそういうもんですかね。

このニュース、東トルキスタンにもちゃんと届いているといいんですが。東トルキスタンって何?と思われた方のために少し説明しますと、トルキスタンというのはアジア中央部、パミール高原と天山山脈を中心としてその東西に広がる地域を指します。西部の西トルキスタンは現在、カザフスタン・トルクメニスタン・ウズベキスタン・タジキスタン・キルギスであり、東部の東トルキスタンは中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区となっています。

この東トルキスタンにて、ずっと地道な独立運動と中国政府による独立運動家への弾圧および民族浄化が続いています。諸々の事情により全然日本では報道されませんけどね。つーか日本は、中国政府へのODAで間接的にチベット・ウイグル・内モンゴル等での弾圧に手を貸しているようなもんです。東トルキスタンに関しては、東トルキスタン情報センターのサイトにいろいろあります。

ちなみに、チベットはインドに亡命政府が存在します。中国政府の監視の目をかいくぐってチベットからインドに脱出するために、ほとんど着のみ着のままでチベット人はヒマラヤを越えるのだとか。チベットのニュースや支援方法等については、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のサイトを参照してください。

ざっと見たところ、少なくともチベット問題はヨーロッパ(というくくりは多少大きすぎますが)でかなり広く知られているようです。アムネスティはじめ、こちらの人権団体はこの問題にかなり敏感です。でもなんで、チベットや東トルキスタンは独立運動で、バスク・北アイルランド・チェチェンはテロと呼ばれるのかよくわかりません。

さらに、派手にいろいろやらかすチェチェンはともかく、ロシアの他の小数民族のことはほとんど知られず黙殺されているようです。EUとロシアの繋がりがだんだん強くなってきている以上、ヨーロッパにとっては東アジアのことよりもよほど重要だと思うんですが。まあ自分たちにとって都合の悪いことを隠蔽するのはどこも同じですかね。

もしかして、コーカソイドが有色人種の宗主国になるのはよくて、有色人種がコーカソイドの宗主国になるのは許せないというのが根底にあるんでは?とつい勘ぐりたくなります。歴史的に見ればついこの間まで有色人種は人として扱われていなかったヨーロッパ、一概に被害妄想とばかりも言えないような。オランダの日本に対する感情とかを見ても、そう思います。あ、別に観光客が個人レベルで嫌な思いをするという意味ではないですよ。

投稿者 akiko : 21:59 | コメント (0) | トラックバック

2004年09月14日

ごみはごみ箱へ

友達がひじの内側にテープを張っていたので、どうしたのかと思ったら献血してきたんだそうです。献血すると簡単な血液伝染病の検査はできるし謝礼は貰えるしいいことずくめ、だそうですが前にも書いたように私は体重が足りなくて献血できません。仮に足りていたとしても、こちらの献血量は500mlだそうで…そんな大量の血をいきなり抜かれたら死ぬー!日本って成人女性の献血は200mlでしたよね?その2.5倍です。

そ、そんなに血抜いて平気なの?!とびびる私に、友達はえーなんともないよとけろっとしています。強い…ドイツ人強すぎる。500mlって、つまりビール瓶一本分なわけですが。想像するだけでクラクラしますよ。

先週末は学会ついでに遊びにきた先輩とトリアーに遊びに行ってきました。なんか私、トリアーによく行ってますね。ま、モーゼルワインが美味しいんで。日本でも手に入ると思います。おすすめです。日本で有名なのはツェラー・シュヴァルツカッツェですかね。エチケットは黒猫です。

日本からドイツに遊びにくる人はたまたま飲める人ばかりなので、正直言って助かっています。それまでずっとぐずついていた天気も持ち直して良かった良かった。例によって、観光はそこそこにさっさとカフェに座り込んで飲んだくれていたわけですが。私みたいに腰の重いひきこもりに観光ガイドはつとまりません。

と、先週と先々週はなんとか夏らしかったのですが、そろそろ秋です。どんどん日が短くなっていっています。とはいえ、まだ9時くらいまではなんとか明るいんですけどね。えーと夏時間っていつまでだっけ…これが終わると途端に冬モードに入るんですよね。

私はといえば、パブリッシュ予定の論文を直す→先生に見せる→直す→見せるの無限ループです。あとは、人の論文の英語チェックをしたりとか…って、私でいいのか?私は修論の最終稿の一部をアメリカ人に見せたら、真っ赤に添削されて返されたりしているわけですが。いまだに英語は冠詞が苦手です。冠詞の種類が増えて活用まであるドイツ語は言わずもがな…先日遊びにきた先輩に、「ドイツ語ほとんどできないのに、酒だけはばっちりオーダーできるんだな」と笑われましたが。ふん。

また、週末に掃除熱が出てこれ幸いといろいろ片付けました。ごみはごみ箱へ…この分別箱がいたるところにあります。瓶やペットボトルは店に持って行ってディポジットを返金してもらうという方法もあります。ドイツはごみ分別先進国だと言われますが、実際に住んでみると日本で言われているほどではないような。日本と同じくらいのような気がします。

投稿者 akiko : 03:22 | コメント (0) | トラックバック

2004年09月07日

美容院行ってきました

さて、先週お伝えした通り、美容院へ行ってきました。ご覧の通り、一番長いところで腰まであった髪を肩甲骨付近で揃えてもらいました。かなり傷んでいた毛先が全部なくなって、なかなか良いです。エジプト人にも節子にもならずにすみましたが、この長さと揃い具合はなんつーか…禿?

えーと、「はげ」と読まないでくださいね。かむろです、かむろ。もしくは、かぶろ。そう、芸者見習いの。それは年齢を10以上サバ読むことになるだろうとか、むしろあんたは大禿っていう妖怪に近いとか、そういう突っ込みはなしでお願いしますよ。

妖怪といえば、かむろネタの怪談はいろいろあります。怖いです。人一倍怖がりのくせに、こういう話がやめられないのって何なんでしょう。ちっとも暑くない今年のヨーロッパの夏に怪談は必要ないだろうに、パリで「ぼっけえ、きょうてえ」(岩井志麻子)は買ってくるし。語りが方言なのが怖ーい!岡山って桃太郎に見られるように古くは鬼が棲んでいたというし吉備津の釜(雨月物語:上田秋成著)の土地でもあるし、怖いですねー。そして、怖がりな上にひとり暮らしなんだからやめときゃいいのに、学会ついでに遊びにくる先輩に「座敷女」(望月峯太郎)なんか頼んでます。

友達と一緒に行って英語→ドイツ語と通訳してもらったわけですが、かなりうまくいったと思います。私は美容院でいろいろ話しかけられるのが好きではないんですが、静かなところで良かった…いえ、単に言葉が通じないからだけじゃなくて、美容院全体が静かなのです。ただ、美容師さんが遠慮してあまり髪を切ってくれない…「あ、もうちょっと短く」「もうちょっと短く」の繰り返しでした。髪なんてまたすぐ伸びるんだから、多少思いきって切ってしまってもいいのにー。

代金は、日本と同じくらいでした。デュッセルドルフあたりの日本人美容師さんだと倍くらいの値段になるようですが。日本人の美容師って、語学さえクリアすればどこででもかなり売れるんですよね。

投稿者 akiko : 18:57 | コメント (1) | トラックバック