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2003年10月27日
レディファーストとフェミニズム

今週は、卒業論文のプログラムがなんとか一応形になって嬉しさのあまり研究所でタコ踊りのひとつもしかねない吉田です。皆様はいかがお過ごしでしょうか。とは言え、まだまだ先は長いわけですが。ほんとに終わるのかー。おーい。
そしてもうすぐハロウィンですね。アメリカで一戸建てに住んでいた時はいろんな子供が来て楽しかったんですが、今はアパート住まいだしアパートの住人は老人クラブ的平均年齢の高さだし・・・そもそもドイツの子供に近所を仮装してまわる習慣があるのかどうか。
さて、ご存知のように、ヨーロッパにはレディファーストという習慣があります。モニタの前でタコ踊りをしそうになっている私などレディには程遠いと思われますが、そんな私でさえもレディとして尊重してくれる欧州紳士は心が広いですね。
そのレディファーストですが、性差別的な風習とみなす向きもあるようです。主にアメリカ、ヨーロッパにも一部そういう女性が存在するらしい・・・のですが、実は私、そういう人にアメリカでもヨーロッパでもお会いしたことがないんですよね。そういう人たちはどこにいるんでしょうか。比較的女性の権利意識の高い人が集まる専攻の人と話をしたこともありますが、そういう話を聞いたことはないです。
ともあれ、そういう考え方をする人もいるだろうなというのはなんとなく理解できます。正直なところ、今更そんな一昔前のフェミニストみたいなこと言い出さなくても・・・というのが私の感想です。他人の親切心は、はねつけるよりも有難く受け取っておいた方がいいのでは。電車で年配の方に席を譲ろうとしたら怒鳴られた、というのとまったく同じだと私は思うのですが、こういう場合、上記のような主張をする方々は席を譲る方に非があると言われるわけでしょうか。なんだかヒステリックで余裕がなくて嫌だー。
そもそもレディファーストというのはレディ(淑女)に対してなされるものであり、自分を一人前のレディ扱いしてくれる人に対して怒るなんて野暮の骨頂です。というのはやや辞書的な屁理屈ですかね。それは別としても、フェミニズムの目的は女性が男性化することではないでしょう(※)。それは本末転倒というものです。
性差は当然あるものと認識して、しかしそこに優劣は持ち込まないとか、性差があるからしょうがないと思考停止しないとか、そういう方向に向かう方がいいと思うんですよ。過激派な方々には、あんたは甘い!と一蹴されそうですけど。でもやっぱり、男女の違いは目くじら立てるよりお互いに無理のない範囲で楽しんだ方が人生ハッピーになるのでは。目くじら立てるべき事柄は他にいろいろあるんです。
レディファーストが紳士のマナーならば、当然レディの側にもどう対応すべきかというマナーが存在します。が、そういう素地も文化的背景も持ち合わせていない私はしょっちゅう馬脚を現しているわけでして・・・「レディがそんなことするもんじゃありませんっ!」と友達のヨーロッパ人にしょっちゅう駄目出しされています。。あんたたちはロッテンマイヤーさん(※※)かー。いや、ありがたいんだけど。
※今から見ればやや的外れとはいえ、そういうスタンスで頑張ってきたフェミニズム運動初期の先輩方を非難しているわけではありません。彼女たちのおかげで今の状況があるのです。感謝。
※※おなじみ「アルプスの少女ハイジ」の登場人物ですね。原作はスイスの作家によるドイツ語作品なのですが、ヨーロッパ人の間にどのくらい知られているのかはわかりません。
投稿者 akiko : 2003年10月27日 16:48
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