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2005年04月26日

週末のデモ

花曇り、というには陰鬱すぎる空模様です。どうも天気が安定しなくて、一体何を着て外に出ればいいものやら困っています。でも日が長くなってきたのは嬉しいー。この写真を撮ったのは、午後8時半です。

新しいローマ法王がドイツ人に決まりましたね。先代のポーランド人法王に続き、またイタリア外からの選出です。これでドイツのカトリック教会は盛り上がってる…かな?すみません、なんせ研究所にひきこもっているのでさっぱりわかりません。

むしろ、今週末にデュッセルドルフであった在独中国人による対日本領事館デモの方が気がかりでした。事前に領事館から在留邦人向けに通達が出ており、結局は何事もなく過ぎたようで安心しました。デモはやりたければ勝手にやればいいんですが、なんでわざわざドイツでやるかね…まったく関係ない国の政府と国民をそれなりに巻き込んで迷惑かけるのが適当な手段だとは、あまり思えないのです。ものすごい皮肉ですが、これがチベット人やウイグル人だったら、地元でデモをしても握りつぶされるから外でアピールする意味もありますね。

教育の力は絶大だとつくづく思いました。中国の教育の偏りぶりや情報統制のすさまじさはここで説明するまでもありませんが、国を出てみてそういうことに気がつく中国人はわりといます。こういう人たちとは忌憚なくつっこんだ話ができるんですが、残念ながらそういう人ばかりではないというのは週末のデモにある通りです。

別に日本に非がないなんて言うつもりではないのです。が、いくらなんでも中国政府のプロパガンダは度が過ぎています。「文化大革命の実情も天安門事件も国を出るまで全然知らなかった。まず教えられないし、インターネットにアクセスできてもそういうサイトの閲覧はできない。国を出てからようやく客観視できる機会と環境ができた」とは、私の友人(中国人)の弁です。

と、よその国とよその人のことばかり書いているようですが、これはそのまま私にもあてはまるのです。日本の自虐プロパガンダも相当なもの(しかも巧妙)で、実は日本人が一番日本のことを知らないんじゃないかと思います。ヨーロッパに来てからは特に。自国民が外国で恥をかくような教育をして何が楽しいんだか。

それにしても、小泉首相は外交上手ですね。ここのところ、EUではフランスとドイツの中国向け武器輸出解除案がトップ懸念事項になっています。今回の小泉首相の演説の後で武器輸出などすれば非難を浴びるのは目に見えています。ただでさえこの2国は、アメリカのイラク戦争を先頭切って非難した国ですし。アジアアフリカ会議という大舞台でEUまで遠回しに牽制するとは、首相は最高の役者ですね。「微笑みながら懐の刀で相手の隙をすかさず突く鉄の微笑」とは海外メディアの町村外相に関する評ですが、懐刀の存在すら最後の最後までにおわせない小泉首相はそれ以上です。

そんな首相が国内政治では突然妙なことになるのはなぜでしょうか。担当のブレーンの差でしょうか。実は外交担当にはライス国務長官並みの切れ者がついているとか。彼女は本当にすごいですよね。日本では出る杭は打たれると言いますが、アメリカは多分それ以上です。いえ、私は出る杭になったことがないんでわかりませんが、コンドリーザ・ライスという天才(←どういうレベルの天才かは、彼女の履歴を調べてみてください)をして「人の何倍も努力する必要があった」と言わしめるほどですから。

投稿者 akiko : 2005年04月26日 06:19

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