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2006年03月30日
春…ですたぶん

ご覧のとおり、ずーんと垂れ込めた雨雲が動きません。しかしこれでも、少し日射量が増してきただけいいのです。冬はもっと濃い色の雨雲で、なんだか天井の低い感じがずっとしています。ヨーロッパは冬に自殺者数が増えますが、さもありなんという天気なのです。
あ、そうそう、夏時間が始まったので、日本とドイツの時差は7時間になりました。皆様お間違えなきよう。
日本でも大々的に報道されていますが、すぐそこのフランスでは国を挙げてのストライキ真っ最中です。SNCF(フランス国鉄)はじめ公共交通機関は軒並み二分の一から三分の一の運行状況だったり、学生中心のデモのため大学が閉鎖状態になったらなったで、今度は授業を受けさせる権利はどうしてくれると別の学生団体がデモを始めたり…なにがなにやら。大変なことになっています。中には、単に暴れたいだけとしか見えない人たちもいますが。ラーメン食べてブックオフで本を買うためにパリへ行こうにも、これでは無理です。
ドイツも、たまにストライキがあるので注意が必要なのですが、フランスやイタリアほどではないです。最近は自治体の予算がいろいろ大変らしく(最近に始まった話じゃないだろうと思いますが)、大学で時々ストが起きます。この前大雪が降った時には、清掃員ストのために歩きにくいことといったら…結局、わりを食うのは学生なんですけどねー。
投稿者 akiko : 17:51 | コメント (2) | トラックバック
2006年03月23日
はやぶさ
読んでいくとわかりますが、これで動いているのが不思議なほどです。これだけのダメージを受けていながらなお無重力・真空・太陽風直撃という環境下で動く機械なんて、そうそう作れるものではありません。記者会見を行った川口プロジェクトマネージャーが、「この探査機が生きていることが奇跡だと思って欲しい」と言うほどです。
それでなお、探査機が生きているなら地球に帰還させる可能性は残っていると頑張るこの人たちの情熱には目を見張るものがあります。こういうのを見て、子供が科学者・技術者かっこいいと思ってくれたらいいんですが。そのためにはまず大人の側から変わらなくてはなりませんが。
いわゆる理系離れは、日本だけの問題ではありません。アメリカ人の理系科目のできなさ具合・関心のなさ具合はいまさら説明するほどでもなく深刻(理学部工学部の大学院は留学生だらけ)ですし、他の国も五十歩百歩のようです。あちこちでいろんな対策が練られていますが、やはり基本は教える側にあるわけで、
子どもの理科離れ:好奇心、はぐくむのは教師 対策、米英の専門家訴え(毎日新聞)
当たり前といえば当たり前のことなんですけどもね。はやぶさなんてかっこうの材料だと思いますが。特に小学校の先生方。他に、日本では
このような英語の先生がいらっしゃいます。たしかに、科学技術ネタは他国の文化的背景や歴史を知らなくても読めるし、一石二鳥の教材ですね。
少し違う視点で、現在日本で働き盛りの技術者はほぼ全員といってもいいほど、小さい頃にわくわくしながら観ていたロボット物のアニメや漫画が根底にあるようです。それについて、なかなか面白い記事をみつけました。
●移り気な情報工学
第49回◆ たかが技術倫理,されど技術倫理
これの「時代のヒーローと科学技術」というところです。いわく、科学性善説・理系人間は尊敬される時代から科学性悪説・科学技術は何をしでかすか知れたものではないと考えられてしまう時代へ、ということです。かなり面白いところを突いていますね。小手先の技を施すより、鉄腕アトムをみせた方がよほど理系離れを止められるのかもしれません。
そして、そういう「かつての子供」が集まると、
2010年、今度は宇宙だ!――「ROBO-ONE宇宙大会」開催を発表
こういうことをやり始めちゃいます。バカです。見事なまでのバカです。もはや傾き者の領域です。願わくば、20年後30年後もこういうバカが存在する日本でありますように。
投稿者 akiko : 04:57 | コメント (0) | トラックバック
2006年03月17日
CeBIT2006
さて、CeBITです。交替で時間を作って、時々見て回ってきました。が、いかんせん広すぎます。あまりの広さに何が何だか…いろいろと面白い展示もあるんですけどね、その面白い展示に行き着くまでが大変です。
CeBITの謳い文句は、世界最大のIT系展示会というものです。個人的には、今の規模の4分の1、いや5分の1でいいと思うんですが。そのかわり、選考制にしてほしいです。見るべきもの1に対して、どうでもいいもの100…という印象が強いです。ビジターとしては広すぎて、展示者としては規模の大きさのためあまりに主催者の手際が悪いと感じることもいくつかありました。
この、いまいち良いとはいえない印象は、研究者の視点だからかもしれません。私がいた学術ホールは、そこそこ面白い展示が多かった気がします。人の脳から直接入力信号をとりだす研究や、人の手の動きを忠実に再現するためのロボット、最新のアイトラッキング機器などなど、いろいろありました。ついでに、同じホールの富士通ブースが5時からハッピーアワーでカクテルをサービス…ヨーロッパの、大人の間ではこういったことに大らかな点、かなり気に入っています。
なかなか面白いと思った企業に、精密機器を傷つけない液体を開発した化学系の企業があります。(リンクはこちら)普通のディスプレイが液体の中に浸かっていました。デモ用の器もあって、携帯電話でもなんでも入れられるようになっていて面白かったです。熱伝導率などを詳しく聞いていないんですが、うまくすれば水冷にも使えそうです。

投稿者 akiko : 02:14 | コメント (0) | トラックバック
2006年03月08日
国際婦人デー(ミモザの日)
さて、3月8日はInternational Women's Dayです。ご存知ない方のために、いくつかサイトを紹介しておきます。
このウィキペディアにあるメアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官の言葉がいいですね。「女性が権利の獲得に向けたこれまでの歩みを祝うと同時に、女性被害者は、いまだに跡を絶たないことを想起する日」です。世界規模では後者、日本の女性に限っては前者がまさに必要だと感じます。
日本の女性は、市川房枝や平塚らいてうの婦人参政権運動から始まり、いつの間にか、人生の選択肢という意味においては機会均等どころか男性とは比べ物にならないほどの機会と柔軟性を手にしています。日本に限っては、ウィメンズリブはとうに終わり、次のメンズリブの段階にあるのではないかと思います。いみじくも、「女性解放は男性解放である」と言った社会学者がいましたね。(誰だったっけ…)
日本の場合、江戸時代の庶民(人口の大多数)は完全に共働きだったり、またその共働き家庭をサポートする外食産業はじめいろいろな産業の発展がみられた背景があることや、もっと歴史をさかのぼれば母系社会であったこと、なによりそういった小さな背景の積み重ねの歴史が断絶されることなく続いてきたことなど、そもそも西洋とまったく土壌が違います。
アメリカやヨーロッパのフェミニズムをそのまま日本に持ち込もうとすれば、齟齬が起きるのは当たり前です。しかし、フェミニストは嫌いだと言う女性の側も、自分が今持っている教育の権利や参政権がかつて「当たり前」ではなかった時期があること、そこから今の状態になるまでに多くの先人のたゆまざる努力があったことを失念していると思うのです。私も過激派のフェミニストは嫌いです。が、フェミニストという言葉は、けしてああいう人たちだけをさすわけではないのです。
そんな国際婦人デー直前に、中絶完全禁止法がサウスダコタ州(アメリカ)で通りました。母体に危険がある場合のみを除いて、暴行や近親間妊娠であろうと人工妊娠中絶は完全禁止となる法律です。命は受精の瞬間から命である、かどうかの考え方は人それぞれだと思いますが、この考え方を政府が市民に強要する以上は、その後までちゃんとケアできるんでしょうか。アメリカの社会保障のお粗末さを見る限り、その点かなり不安ですね。